特定保健用食品(トクホ)としての青汁

たくさんある青汁の製品の中に、「トクホ」のマークがついたものを見かけます。

トクホってテレビなどでもよく聞きますが、一体どういうものなのでしょうか。

トクホの青汁はどうなのか、まとめてみました。

トクホとは

そもそもトクホとはどういうものなのでしょうか。

正式には「特定保健用食品」といいます。これは1991年に厚生労働省で定められた、保険機能食品のうちのひとつです。2009年9月に、消費者庁の発足と同時に管轄も移されました。

特定保健用食品とは、食品が持つ特定の健康に対する用途を表示して販売される食品のことです。トクホとして販売するためには、製品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け、許可を受ける必要があります。

食品として販売されますが、薬のようにその効果を記載することができるため、食品と薬の間に位置するものと考えてもいいでしょう。

ちなみに、トクホの許可を受けていない食品が効果を謳うことは、薬事法によって禁止されているので気をつけましょう。

トクホの青汁の効果

では、トクホの青汁の効果とは一体どういったものなのでしょうか。

青汁では主に難消化性デキストリン、またはキトサンを配合することでトクホの認可を受けています。

難消化性デキストリン

難消化性デキストリンとは、トウモロコシ由来の水溶性食物繊維のことです。

難消化性という通り、消化酵素で消化されにくい性質をもち、食物繊維不足を改善するために生産されるようになりました。

その難消化性デキストリンの効果は多数報告されています。

例えば食後の血糖値上昇抑制効果はそのうちのひとつです。難消化性デキストリンには、糖質の吸収を緩やかにすることで血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。

また、難消化性デキストリンにはおなかの調子を整える効果もあります。難消化性デキストリンが腸内細菌の餌になり、善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるのです。

この結果下痢を防ぎ、また腸内を刺激して蠕動運動を促進、便秘まで解消することができます。

キトサン

キトサンとは、蟹などの甲殻類の外骨格、つまり殻などから得られるキチンを利用して作られた動物性の、不溶性食物繊維です。

その主な効果は腸内でコレステロールや脂肪を吸着し、便として体外へ排出してくれるというもの。

通常、血中コレステロールは肝臓で胆汁酸となり、小腸へ分泌されます。その後、一部はそのまま再吸収されて肝臓へと戻っていくのですが、キトサンはその再吸収を抑制してくれるのです。

こういった効果から、コレステロール、特にLDL(悪玉)コレステロールが気になる方におすすめです。

トクホの青汁のメリット・デメリット

トクホを取得している青汁にももちろん、デリット・デメリットはあります。

まず一番のメリットは、「国が効果と安全性を保障している」ということです。

青汁は現在、非常に多くの製品が市場に溢れかえっています。

その中には、本当に安全と言い切れるのか、飲んで健康に良いのか、いまいち信頼に欠けるという商品があることも事実です。

そんな中、トクホの青汁なら国が健康への効果と安全性を保障しているので、その点においての安心感は一番といっても過言ではないでしょう。

また、トクホの取得には時間とお金がとてもかかります。

わざわざ時間とお金をかけてでも取得するくらい、メーカー側も青汁に自信を持っているのです。

どんな青汁が安心して飲めるか分からない、という方は、とりあえずトクホの青汁から選んでみるのも良いと思います。

一方トクホの青汁のデメリットは、他の青汁に比べると比較的値段が高く設定されているというところでしょうか。

前述の通り、トクホの認定を受けるには時間とお金が非常にかかります。そのため、価格も高めに設定しないと採算がとれなくなってしまうのです。

また、キトサンは蟹の殻から作られているため、甲殻アレルギーの方の場合、キトサン入りの青汁を飲むことは控えたほうがいいでしょう。

トクホではない青汁は駄目?

では、トクホではない青汁は飲んでも健康に良くないのでしょうか。

もちろん、そんなことはありません。トクホを取得していなくても、トクホの青汁に並ぶくらいの品質を誇る青汁はあるでしょう。

ではなぜそういった青汁がトクホを取得しないのかといえば、大変な資金が必要になるからです。

青汁を販売しているメーカーには様々な薬や健康食品を扱う大企業から、青汁のみを扱う中小企業まで、様々です。大企業であればトクホ取得にかかる費用を用意できても、中小企業はそう簡単にはいきません。

きちんと信頼のおけるメーカーが作った青汁なら、自分の求めている栄養をきちんと補えるのならトクホを取得していなくても良いのです。

そもそもトクホの青汁は、難消化性デキストリンやキトサンといった成分を配合することで認定されています。青汁そのものの栄養成分だけを評価しているわけではないのです。

青汁本来の目的は日々の食事では不足してしまう栄養素を補うもの。難消化性デキストリンやキトサンによる効果はあくまで付加価値として捕らえてください。

また、トクホを取得している青汁に比べると、比較的安価な製品も多いです。それはもちろん、トクホ取得のためのコストが抑えられているから。

トクホを取得していないからといって、イコール飲んでも意味がないということではないのです。

トクホとそうでない青汁、自分にあった方の青汁を選ぶようにしましょう。