青汁は緑色野菜の絞り汁で薬とは違うため、基本的に副作用というものはありません。
しかし、薬を服用していたり、臓器が弱っている方が大量に摂取したりすると、その栄養の豊富さゆえに飲み合わせが悪かったり、まれに副作用を起こす場合があります。
ここでは、そんな副作用のひとつ、高カリウム血症についてご説明します。
高カリウム血症とは
血中のカリウム濃度が上がることによって発症します。
通常の血中カリウム濃度は3.5~5mEq/lとされていますが、これが5.5mEq/lを超えると高カリウム血症と診断されます。
症状はいくつかあり、
- 手足の痺れ
- 胃腸障害
- 不整脈
- 吐き気
- 筋力の低下
- 血圧低下
などがみられます。
さらに血中のカリウム濃度が上がり、7~8mEq/lを超えると致死的不整脈による心停止の危険すらある、軽視のできない副作用といえるでしょう。
短時間で重篤な症状に陥りやすく、そのうえ迅速に血中のカリウム濃度を下げることが難しいため、この副作用には気をつける必要があります。
カリウムとは
そもそもカリウムとはどういった栄養素なのでしょうか。
人間が生きていくうえで欠かせない必須ミネラルのうちのひとつがカリウムです。
そのほとんどが細胞内液に含まれ、血液などにもわずかに含まれています。細胞内外の水分調整を行って、余分なナトリウムを尿と共に排出してくれる役割を果たしています。
「バランスのミネラル」ともよばれるカリウムはナトリウムのバランスを保って、体内の水分量を維持してくれているのです。
この働きによりむくみの解消や、高血圧の予防に特に良いとされています。
果実類、野菜類、イモ類、豆類、さらには魚類や肉類と多くの食品に含まれている成分で、非常に摂取しやすい成分です。
一日の摂取目安量は成人女性で2000mg、成人男性で2500mgですが、一日三食きちんと食べていれば欠乏状態になることはほとんどないでしょう。
ただし、食事を抜くことが多かったり、偏食気味だったり、また夏など大量の汗をかいてもカリウムは不足することがあります。忙しくてあまりバランスの取れた食事がとれていない……という方こそ青汁でカリウムを補っていきましょう。
100gあたりの含有量(mg) | |
---|---|
カリウム | |
ケール | 420 |
大麦若葉 | 320 |
明日葉 | 540 |
青汁の原料となる野菜にはこれだけのカリウムが含まれています。普段の食事に青汁を1,2杯プラスするだけでもカリウムの摂取に大いに役立つでしょう。
また、高血圧の一次予防の観点からは一日3500mg以上の摂取が推奨されています。
多く摂取しすぎたカリウムは通常尿と共に排出される成分で、耐容上限量も定められていないものなので、過剰摂取を気にする必要はありません。
ただし、過剰分は尿として排泄されるというのも、食品から摂取した場合で、サプリメントなどで一度に大量のカリウムを摂取した場合も高カリウム血症を発症する恐れがあります。
サプリメントで補うのは高カリウム血症の危険もあるため、青汁で補うのが最適なのです。
高カリウム血症を起こす人
ここまで読んで、過剰摂取を気にする必要がないのに高カリウム血症を起こすのは矛盾してない?と思った方、たしかにその通りです。
カリウムは通常、健康な人であれば前述の通り、過剰に摂取しても尿とともに排出されます。そのため、過剰症を起こす危険性はほとんどありません。
しかし、加齢や病気などによって腎臓が弱っていたり障害があったりすると、カリウムが正しく排泄されず高カリウム血症になってしまうことがあるのです。
つまり、特に持病などのない若くて健康な方は気にせず青汁を飲んでも大丈夫ですが、腎臓に持病があったり、弱っていたりするという方は注意が必要になる、ということです。
高カリウム血症は最悪の場合死に至ることもある副作用なので、気をつけるようにしてください。
そういった方は、青汁を飲む前に必ず医師に相談するようにしましょう。
基本的には気にしなくて大丈夫!
副作用が怖くて青汁が飲めない、というのはとてももったいないです。
高カリウム血症に関して言えば、腎臓が弱っている方以外は心配する必要のない副作用といえます。
むしろカリウムは、健康のためにも多めに摂取した方がいいくらいの成分なのです。
ぜひ青汁でカリウムを補っていきましょう。
腎臓が弱っている方も、カリウムがあまり含まれていない青汁なら飲むことができます。
栄養表示を確認し、必ず医師に相談して、OKがもらえたら青汁を飲んでも大丈夫です。