青汁による病気の予防・改善(高血圧)

欧米では「サイレントキラー」とも呼ばれる見えない病気、それが高血圧です。

高血圧を放置していると、様々な病気を引き起こす原因となります。

この高血圧の予防・改善に役立つのが、青汁なのです。

高血圧とは?

そもそも高血圧とは一体何なのでしょうか。

運動直後などは血圧が一時的に高くなるものですが、安静状態でも慢性的に血圧が正常値よりも高い状態の場合があります。

この状態が高血圧なのです。

高血圧の状態だと常に血管に圧力がかかるため、血管の内壁が傷ついたり硬くなったりして、動脈硬化を引き起こしやすくなります

高血圧を放置していると動脈硬化が促進され、脳卒中心疾患慢性腎臓病といった病気に直結してしまいます。

脳卒中

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など。

収縮期血圧が10mmHg上昇すると、脳卒中のリスクが男性で20%、女性でも15%高くなるといわれています。

脳卒中は命が助かっても運動や言語機能に障害が残りやすく、長期のリハビリが必要になる場合が多いです。

心疾患

心筋梗塞・狭心症など。

特に男性に影響が強く、収縮期血圧が10mmHg高くなると心疾患のリスクは15%上昇します。

慢性腎臓病

腎障害が3ヶ月以上続いている状態を慢性腎臓病といいます。

血圧が高いと腎臓に大きな負担がかかります。

高血圧状態に陥ると血液中のナトリウムの排泄がうまくいかなくなり、さらに血圧が上昇するといった悪循環に陥ってしまうのです。

慢性腎臓病になると、脳卒中や脳梗塞による死亡率も上昇します。

このような病気に繋がるのが高血圧の最も恐ろしいところです。

高血圧の原因

食塩(ナトリウム)のとり過ぎ

基本的にバランスのとれた食事といわれる和食でも唯一塩分だけが多いといわれるほど、気づかないうちに多量に摂取しがちな食塩。

本来はカリウムと共に作用して細胞の浸透圧を調整する働きを持つ成分です。

しかし血中のナトリウム濃度が大幅に上昇すると、それを薄めようとして血液の水分量が増えます

血液の水分量の増加はそのまま血液量の増加と同じなので、血液の壁にかかる圧力も増大し、結果高血圧になってしまうのです。

肥満

肥満の状態だと循環血液が増えるため、心臓から血液を送り出す際により大きな圧力が必要になります

また、インスリン抵抗性が高まって糖代謝が正常に行われなくなったり、血中の中性脂肪やコレステロールが多く含まれるようになったりして、血液がドロドロになることにより血圧も高くなります。

女性の場合、更年期を迎えて女性ホルモンの分泌が衰えると、太りやすくなると同時に臓器を保護する機能も弱まって動脈硬化の発症率も上がるので、注意が必要です。

ストレス

人間はストレスを感じると、アドレナリンやノルアドレナリンというホルモンが副腎皮質から分泌されます。

これらのホルモンには交感神経を活発にする作用があり、アドレナリンは心臓の収縮を強め、ノルアドレナリンは血管を収縮させることにより血圧をあげてしまいます。

高血圧に有効な青汁の成分

カリウム

カリウムにはナトリウムを尿と共に体外に排出する働きがあります。

ナトリウムに偏って浸透圧があがり、高血圧状態になってしまった血管を正常に戻してくれる効果があるのです。

食物繊維

食物繊維は腸内で老廃物や有害物質など、余分なものを絡め取って便と共に排泄するという働きがあります。

ドロドロ血液の元となるコレステロールや中性脂肪も同様に吸収を抑えて排出してくれる効果があるので、肥満予防と共に高血圧予防になります。

ビタミン類

自律神経の働きを正常に保つビタミンB群は、強いストレスを感じると急激に消費されてしまいます。

また、抵抗力を高める副腎皮質ホルモンを合成するのに必要なビタミンCや、神経系を整える効果のあるビタミンAやビタミンEも、ストレスから来る高血圧に有効といえます。

青汁には他にもたくさんの栄養素を含有しています。

高血圧の原因には実際さまざまな不調も絡んでいるので、バランスよく栄養を摂取できる青汁は高血圧の様な生活習慣病予防に最適なのです。

おすすめの青汁の原料は?

ひとくちに青汁といっても、原料に使われる野菜によってそれぞれ特色があります。

主な青汁の原料3種の栄養素を比較してみました。

100gあたりの含有量
カリウム(mg) 食物繊維(g) カロテン※1(μg) ビタミンB1(mg) ビタミンC(mg) ビタミンE(mg)
ケール 420 3.7 2900 0.06 81 2.4
大麦若葉 320 4.11 2538 0.064 7 1.19
明日葉 540 5.6 5300 0.1 41 2.8

※1 ビタミンAの元になる栄養素

最も直接的に高血圧に関わるとされるカリウムの含有量が一番多いのは明日葉です。

明日葉はビタミン類も多く含んでいて、高血圧予防に向いた青汁といえるでしょう。

しかし、ケールのほうがビタミンCの含有量は多く、もし喫煙の習慣があってストレスを多く抱えているという方にはケールの青汁も試してみてください。

実は、煙草を吸うと体内のビタミンCは壊されてしまうので、喫煙者ほどより多くのビタミンCを摂取しなければならないのです。

また、大麦若葉にはSOD酵素という特有の成分も含有されています

このSOD酵素は、ラットに投与したところ血圧の低下が見られたという報告があがっている、期待の成分なのです。

それぞれで味や成分に特徴があるので、ぜひご自分でも調べてみてください。

青汁を飲むときの注意点

ご紹介したとおり、青汁にはカリウムが豊富に含まれています。

基本的には過剰に摂取してもそのまま尿と共に排出されるのですが、腎機能が低下している場合、うまく排出されずに高カリウム血症になってしまう可能性があります。

不安がある場合、腎臓に持病がある場合は、必ず医師に相談して飲むようにしましょう