青汁の素材(ゴーヤ)

ゴーヤというと沖縄料理のゴーヤチャンプルなどを想像する方が多いと思いますが、実は青汁の原料にも使われているということはご存知でしょうか?

そんなゴーヤの青汁に一体どんな効果があるのか、ご紹介していきましょう。

ゴーヤとは

和名をツルレイシという、一年草の植物です。蔓性で、イボに覆われた果実の皮がレイシ(ライチ)に似ていることからこの和名になったといいます。

原産は熱帯アジアで、果肉が苦いことが特徴のため、一般にはニガウリと呼ばれますが、近年では沖縄での呼称のゴーヤのほうがより使われるようになりました。

1993年までは沖縄県外に持ち出すことが禁止されていたため、現在のように全国に流通するようになったのはごく最近のことです。

全国で流通するようになった現在ではいくつもかの栽培品種があり、それによって苦味の強さが多少異なります。

ゴーヤの成分

ゴーヤには様々な栄養が豊富に含まれています。その中でも珍しい成分と、特に多く含まれるものについていくつかご紹介します。

モモルデシン

ゴーヤの苦味成分で、ファイトケミカルのうちの一種です。

主な作用として、胃の粘膜の保護と、消化器官を刺激して胃液などの分泌を促すことにより食べ過ぎによる胃もたれの解消があります。

ほかに自律神経のバランスを整えたり、血中のコレステロールや血糖値の調整、血流を良くして血圧を下げたりする作用、さらには抗酸化作用も持っています。

コロソリン酸

血中のブドウ糖を筋肉組織や脂肪細胞へ届けるたんぱく質を活性化させ、インスリンの効率を高める働きがあります。

この働きにより、血糖値の上昇を抑え、糖尿病の予防効果を期待できます。

チャランチン

モモルデシン同様、ゴーヤの苦味成分のひとつです。

すい臓のランゲルハンス島β細胞に働きかけてインスリンの分泌を促進、血糖値を下げる効果があります。

また、インスリンだけでなくグルカゴンの分泌も促進する作用を持ちます。グルカゴンは血糖値が下がりすぎると分泌が促進されるようになります。これにより、一般的な糖尿病の薬と違い、作用しすぎて低血糖状態になるということはほとんどないようです。

ビタミンC

非常に豊富なビタミンCを含有しています。

通常、ビタミンCは熱に弱く、加熱すると多くが壊れてしまうのですが、ゴーヤのビタミンCは熱に強く丈夫で、多少の加熱ならほとんど損失が見られないのです。

寒い冬にホットの青汁を飲みたいとき、他の野菜が原料の青汁だと温度や時間を気にして急いで飲み干さなければなりませんが、ゴーヤの青汁ならあまり気にせず飲むことができます。

カリウム

ゴーヤはカリウムも豊富に含んでいます。

カリウムには体内のナトリウムと一緒に水分を尿として排出する働きがあります。その際、水分と一緒に体内の熱も放出するため、暑い時期の夏バテ対策にうってつけなのです。

また、体内の余分な水分を排出することから、むくみの解消も期待できます。

カリウム不足は高血圧を招く要因にもなるので、ぜひ意識して摂りたい栄養です。

蛋白MAP30

あまり聞きなれない成分だと思いますが、これもまたゴーヤのもつ特徴的な成分のうちのひとつです。

これにはがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞を活性化させる作用があります。がん予防に役立つ成分として注目を集めています。

もちろん上記の栄養以外にも食物繊維や各種ビタミン・ミネラル類などを豊富に含んでいます。夏バテの多いに暑い時期によく食べられるのも納得の栄養の豊富さです。

ゴーヤの青汁の効果

糖尿病予防

ゴーヤの効果でもっとも注目を集めているもののひとつが糖尿病予防です。

植物インスリンに数えられるチャランチンやモモルデシンなどの効果は前述の通りです。

植物インスリンは一般的なインスリンの薬と違って低血糖状態に陥る心配がなく、むしろ血糖値を調整してくれるとても便利な成分なのです。

また、青汁は野菜の搾り汁のため、糖尿病になってしまったとしても、糖質制限しながら飲み続けることができるため、症状の改善に役立つことでしょう。

がん予防

ゴーヤには前述の通り、ナチュラルキラー細胞を活性化させる蛋白MAP30と、さらに強い抗酸化作用をもつビタミンCが豊富に含まれています。

がん細胞は染色体異常の一種と考えられているため、それを引き起こす活性酸素を除去してくれる抗酸化作用をもつビタミンCもがん予防に役立つとされているのです。

今や日本人の2人に1人が一生のうちに罹るといわれているがんを予防する、力強い味方になってくれそうです。

夏バテ防止

ゴーヤに含まれるモモルデシンには胃の粘膜を保護して消化を促進する作用があり、夏バテになると陥りがちな食欲不振を改善してくれます。

また、ゴーヤに大量に含まれるカリウムの利尿作用により体温を下げてくれるため、暑気払いとしても有効です。暑い夏もゴーヤの青汁で快適に乗り切りましょう。

むくみ解消・ダイエット効果

カリウムの利尿作用により、体内の余分な水分を排出してくれるので、むくみ改善に役立ちます

また、ゴーヤは食物繊維も豊富なので、腸内の老廃物などを絡め取って便と共に排出することで、ダイエット効果も期待ができます。

いくつかゴーヤの青汁で期待できる効果を挙げましたが、バランスよく不足なく栄養を摂取することが最も健康への近道といえます。

そういった観点でも、様々な栄養を含有している青汁を飲み続けることは健康への第一歩といえるでしょう。

ゴーヤの青汁を飲むうえでの注意点

青汁といってもただの野菜の絞り汁なので、薬の副作用のような心配はありません。とはいえ、いくつか注意しなければならない点はあります。

過剰摂取しない
大量に飲んだからといって健康になれるものではありません。それぞれの一日の推奨摂取量を守るようにしましょう。
添加物に気をつける

糖尿病予防に役立つ成分が豊富なゴーヤの青汁ですが、独特の苦味を打ち消すために砂糖などが使われている場合があります。

糖尿病予防として飲むのに糖分を摂取しすぎてしまっては意味がありません。特に糖尿病患者の方は注意が必要です。

青汁の原材料を必ず確認し、医師に相談のうえ飲むようにしてください。

高カリウム血症

腎臓に疾患があったり弱ったりしている方も注意が必要です。

通常、余分に摂取されてしまったカリウムはそのまま体外へと排出されますが、腎臓の働きが正常でないと排出しきれず、体内にカリウムが残ってしまうことがあります。

そうなると高カリウム血症になってしまい、症状が重篤だと死の危険性もあります。

この場合も必ず医師に相談のうえ、摂取量を守って飲むようにしましょう。