よもぎ(蓬、ヨモギ)といわれると草もちをまず思い浮かべるという方が多いと思います。
しかし、このよもぎも実は青汁の原料として扱われるようになってきているのです。青汁にするとどのような効果があるのでしょうか?
ご紹介いたします。
よもぎとは?
草もちに使われることで有名なキク科の植物です。草もちからわかるように独特の香りがあります。
クロロフィル、食物繊維、ビタミン、ミネラル、カロテン、シネオール、フラボノイド、コリン、β-カリオフィレン/span>等、非常に豊富な栄養素を含んでいます。
食用以外にも、昔から止血、冷え解消、鎮痛、去痰作用のある「艾葉(がいよう)」という生薬としても用いられてきました。
また、よもぎの葉の裏にある繊毛を精製したお灸のもぐさも非常に有名です。
よもぎの効果
よもぎの青汁による効果にはいったいどんなものがあるのでしょうか?
- 便秘解消
- がん予防
- 高血圧予防
- 冷え・むくみの改善
- 口臭予防
- 鎮痛作用
- 生理のトラブル解消
- 美肌効果
ざっと挙げただけでもこれだけの効果があるといわれています。
例えば、よもぎには食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整えて便秘を解消する効果があります。
また、美肌にしてくれるのはビタミンCの抗酸化作用とクロロフィルの殺菌作用です。吹き出物などの肌トラブルを改善してくれます。
さらに、よもぎに含まれる有効成分のいくつかには血管拡張作用があるため、血液の流れを改善して様々な病気を予防してくれますし、女性ホルモンに働きかける作用もあるので、女性特有のトラブルにも有効です。
よもぎは様々な効果が期待できる優秀な植物なのです。
よもぎの有効成分
よもぎにはたくさんの有効成分が含まれますが、ここではその中でも特に普段聞きなれない成分についてご紹介します。
クロロフィル
クロロフィルというと少し聞き慣れないかもしれませんが、葉緑素と言い換えれば聞き覚えのある方は多いのではないでしょうか。学校の理科の授業でも習った、植物に含まれる緑色の色素です。
実はこのクロロフィルには染色体異常の発症を抑制する効果があるのです。
つまり、染色体異常の一種とされるガンの予防に効果的であると考えられています。
また、血中コレステロールを下げる働きをもつため、血栓の予防や血圧を下げる効果など、健康にとても有効な成分なのです。
さらには消臭・殺菌効果もあるので、口臭予防にも良いといわれています。
シネオール
よもぎに含まれる香り成分のひとつです。
アロマセラピーでもローズマリーから抽出されたこのシネオールの製油が使われたりします。シネオールの効果は、交感神経の働きを抑えて副交感神経の働きを強め、脳神経を沈静化させ、睡眠を促すといったリラックス効果が主です。
ストレスなどにより交感神経と副交感神経のバランスが崩れると不眠や動悸、下痢、頭痛、肩こり、だるさ、冷えやイライラなど、なんとなくといった不調が現れるようになります。こういった身体の微妙な不調を改善するのに、シネオールは効果的なのです。
また、シネオールには消化酵素の分泌を促進し、胃の働きを活発にする健胃作用、さらには抗炎症作用もあります。
花粉症などのアレルギー症状がつらいときにも、効果を発揮してくれるのです。
コリン
ビタミンとよく似た働きをもつ、水溶性のビタミン様物質です。
特にビタミンB群と作用することが特徴で、アメリカでは必須栄養素にも指定されています。細胞膜を形成するレシチンや神経伝達物質のアセチルコリンを構成するのに必要な物質です。
レシチンにはコレステロールが溜まらないようにする働きがあり、脂肪肝になるのを防いでくれます。
また、神経伝達物質のアセチルコリンは認知症を予防するだけでなく、血管拡張作用もあるため、レシチンの効果とあわせて動脈硬化の予防にも有効です。
血管拡張作用は血行を良くしてくれるので、冷え性やむくみ、肩こりなどにも効果的といえます。
β-カリオフィレン
これもまたシネオール同様によもぎに含まれる香り成分のひとつです。
アロマセラピーではクローブやイランイランから抽出された製油が使われたりします。
このβ-カリオフィレンは女性ホルモンに働きかけるため、月経前症候群(PMS)や生理不順、また更年期障害などの症状緩和に有効であるとされています。
これは常に作用するわけではなく、女性ホルモンの血中濃度が急激に変化するときにだけ作用するという特徴があります。
また、β-カリオフィレンには「カンナビノイド受容体・タイプ2(CB2)」というたんぱく質を活性化させる効果があることが近年わかりました。
このCB2には痛覚を遮断するといった働きがあり、通風やリウマチ、また頭痛など日常的な痛みにも有効です。
他にも血管を拡張させる作用もあるため、冷えや肩こり、また女性ホルモンの安定作用と合わさって生理周期の安定作用もあります。
よもぎの青汁を飲む際の注意点
昔から食用とされてきただけあって、基本的にはこれといった副作用のようなものはありません。
ただし、女性ホルモンに作用する働きがあるのと、毎日飲み続けるものなので、妊娠期間中のデリケートな時期は飲用をいったん中断したほうがいいでしょう。
また、キク科のアレルギーを持つ方は、アレルギー反応が出る場合があるので、飲む際は気をつけるようにしてください。