ビタミンEという成分について、意識したことはあるでしょうか?
ビタミンCなどに比べるとあまり耳慣れないかもしれませんが、青汁からも摂取できる、実はとても大事な栄養素のうちのひとつなのです。
そんなビタミンEについてご紹介いたします。
ビタミンEとは?
油脂に溶ける脂溶性のビタミンです。
ビタミンEはトコフェロールとも呼ばれ、4種類ある中でもα-トコフェロールがもっとも強い作用を持っています。
脂溶性で、アーモンドなどといったナッツ類や植物油などに豊富に含まれています。
日本におけるビタミンEの摂取基準は1日6~6.5mgとされており、欠乏すると溶血性貧血、冷え性、肩凝り、血行障害、不妊などのリスクが高まるといわれています。
それに対し、ビタミンEの摂取量の上限は1日900mgです。
ビタミンEは他の脂溶性ビタミンに比べて過剰症が起こりにくいとされていますが、血が固まりにくくなることによる止血能力の低下や出血しやすくなることがあります。
青汁にはビタミンKも豊富に含まれているため、ワーファリンなどといった抗凝固剤を服用している方は注意が必要です。
ビタミンEの作用
抗酸化作用
ビタミンEの抗酸化作用は、主に過酸化脂質の抑制に働きます。
人間の全身の細胞はひとつひとつ細胞膜に覆われていますが、この細胞膜は不飽和脂肪酸という成分が主成分になって構成されています。この不飽和脂肪酸が酸素と結びつくと過酸化脂質になってしまうのです。
過酸化脂質は連鎖反応を起こして、周りの不飽和脂肪酸も過酸化脂質に変えてしまいます。
細胞膜が過酸化脂質になってしまうと、その細胞は異常をきたしたり、死んでしまったりします。その結果、動脈硬化やそれに伴う脳梗塞、心筋梗塞、またガンなどの原因になってしまうのです。
ビタミンEはその抗酸化作用によって不飽和脂肪酸が過酸化脂質になることを防いでくれます。血管の細胞膜のダメージを防いで血管の健康を保ち、動脈硬化を防ぐことで様々な病気も予防してくれるのです。
また、善玉(HDL)コレステロールを増加する働きもあります。善玉コレステロールを増やすことによってドロドロな血液もサラサラになり、さらに血管への負担をなくすことができるのです。
青汁には食物繊維やビタミンCなど、悪玉コレステロールを減少させてドロドロ血液を改善するのに有効な成分も豊富に含まれています。そのため、コレステロールが気になる方にも青汁は役立ってくれるでしょう。
性ホルモンの生成
ビタミンEには生殖機能の維持をする働きもあります。
そもそもビタミンEの化学名であるトコフェロールには「子供を生ませる」という意味があるのです。
ビタミンEは副腎や卵巣に蓄えられ、女性ホルモンや男性ホルモンといった性ホルモンの生成に関わっています。
具体的には性ホルモンの生成や分泌の調整を担う脳下垂体に働きかけて生殖機能を維持することにより、月経前のイライラや生理痛、生理不順などを改善する効果があります。
特に女性の場合は閉経期になると女性ホルモンの分泌が著しく減少し、ホルモンバランスが崩れることによって肩凝り、めまい、冷え、のぼせ、息切れ、手足の痺れといった更年期障害が出ます。
ビタミンEは女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンの材料にもなるため、閉経期に多く摂取することでこれらの症状を軽減することが期待できます。ビタミンEの摂取によってホルモンも活性化し、着床しやすくするなど、不妊でお悩みの方にもぜひ意識して摂取して欲しいところ。
ホルモンバランスを整えるならビタミンB群も欠かせません。
青汁はいずれもバランスよく摂取できるので、生理痛や月経前症候群が重い方も予防として毎日飲んでみてはいかがでしょうか。
ビタミンEを効率よく摂取するには
ビタミンEを補う目的で青汁を飲むのであれば、明日葉を原料にした青汁がおすすめです。
ビタミンEの含有量が主な青汁の原料であるケールや大麦若葉と比べても最も多いですし、ビタミンAのもとになるカロテンやビタミンCの含有量も豊富です。
100gあたりの含有量 | |||
---|---|---|---|
ビタミンE(mg) | カロテン(μg) | ビタミンC(mg) | |
ケール | 2.4 | 2900 | 81 |
大麦若葉 | 1.19 | 2538 | 7 |
明日葉 | 2.8 | 5300 | 41 |
というのも、ビタミンEはビタミンAやCと共に摂取することで相乗効果が働き、より一層抗酸化作用を得ることができるのです。
これら3つの栄養素はあわせてビタミンACE(エース)と呼ばれるほどで、ぜひ一緒に摂取したいところ。
これらを効率よく摂取するなら、食事と一緒に青汁を飲むことをおすすめします。食事もこれを期に、バランスを見直して見ましょう。
注意点
青汁はあくまで食品なので、薬のような副作用はありません。
しかし、前述の通りビタミンEの過剰摂取は止血能力の低下を引き起こしますし、青汁に豊富に含まれているビタミンKは抗凝固剤のワーファリンと相性が悪く効果を半減させてしまうことがあります。
ワーファリンを服用中の方は、必ず医師に相談のうえ、指導の下、青汁を飲むようにしましょう。