青汁の栄養素(ポリフェノール)

「ポリフェノール」と聞くと、赤ワインを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

このポリフェノール、実は様々な種類があって、しかも青汁にもたっぷりと含まれているのです。

ここでは青汁に含まれるポリフェノールについてご紹介したいと思います。

そもそもポリフェノールとは?

光合成の際に作られるファイトケミカル(フィトケミカルとも)の一種がポリフェノールです。ファイトケミカルとはギリシャ語で「phyto=植物」「chemical=化学物質」を意味し、植物性化学物質を指します。

ファイトケミカルは植物の匂いや色素、アクなどに含まれ、いずれも強い抗酸化力をもち、免疫力を上げることで、健康や美容に役立つものとして近年注目を集めています。

ポリフェノールは、動物には存在しない植物特有の成分で、5000種類以上にも及ぶといわれています。厳しい自然界において、動けない植物が生き残るために作り出してきた成分なのです。

大豆イソフラボン、タンニン、フラボノール、カテキン、アントシアニンなどはよく耳にすると思いますが、これらも全てポリフェノールの一種です。

ポリフェノールも他のファイトケミカル同様に様々な病気を予防し、アンチエイジングや美肌にも効果的です。

青汁に含まれるポリフェノールは?

原料となる野菜によって含まれるポリフェノールは変わってきます。

主な青汁の原料とそれぞれに含まれる代表的なポリフェノールを表にしてみました。

ポリフェノールの種類 効果 含有されている野菜
ケルセチン
  • 血流を良くする
  • 骨代謝改善
  • ケール
  • 桑の葉
ルチン
  • 毛細血管強化
  • 血管収縮作用
  • ケール
  • 桑の葉
アントシアニン
  • 疲れ目の改善
  • メタボリック・シンドロームの予防
桑の葉
カルコン
  • 末梢血管拡張作用
  • 脂肪細胞燃焼
明日葉
クロロゲン酸
  • 中性脂肪排出
  • 血糖値の上昇抑制
長命草

もちろん、ポリフェノールは非常にたくさんの種類があるので、他にもたくさんのポリフェノールが青汁には含まれています。

各ポリフェノールの働きは?

それでは、青汁に含まれるポリフェノールの具体的な働きについてもう少し詳しくご説明します。

ケルセチン

ビタミンPという一面ももつポリフェノールです。

ビタミンPとはあまり聞き慣れないかもしれませんが、ビタミン様物質と呼ばれ、ビタミンと似た働きをする成分の総称であり、ビタミンそのものではないのです。

主にビタミンCの働きを助けることで、抗酸化作用美肌効果などを促進してくれます。

血管をしなやかにし、赤血球を柔軟にすることで血流を良くしてくれるため、動脈硬化の予防にも繋がります。また、骨代謝をあげる効果も実験により証明されていて、骨粗しょう症の予防・改善にも効果的です。

ルチン

ルチンもケルセチン同様ビタミンPの一種で、ビタミンCの働きを助ける効果があります。

また、毛細血管を強化して弾力性を保ち、血流を促してくれるため、脳卒中などの出血性疾患や動脈硬化の予防に効果的です。

血管収縮作用もあるため、高血圧も予防してくれます。

アントシアニン

ブルーベリーなどに含まれ、目に良いとして有名なアントシアニンですが、目だけでなく、実はメタボリック・シンドロームの予防にも効果があるのです。

マウスの実験で、アントシアニンを混ぜた高脂肪な餌を与えたところ、内臓脂肪の蓄積が抑えられ、血糖値や血圧の上昇も抑えられたという結果が報告されています。

内臓脂肪だけでなく、血糖値や血圧にも有効なため、糖尿病や高血圧にも効果がある期待のポリフェノールです。

カルコン

明日葉特有の成分といわれるこのカルコンも、ポリフェノールの一種です。

末梢血管を広げ、血液の流れを良くする作用があります。

血流やリンパの流れが良くなることにより体内に溜まった老廃物が排出され、デトックス効果が期待できるほか、むくみの解消にも役立ちます。

また、脂肪細胞に直接作用し、脂肪燃焼も助けるため、メタボリック・シンドローム予防やダイエットにも効果的です。

クロロゲン酸

中性脂肪を溜めずに体外に排出する効果があるため、脂肪肝やメタボリック・シンドローム、動脈硬化の予防になります。

また、体内の乳酸や糖原性アミノ酸を原料として糖(グルコース)を合成する糖新生を抑制する効果もあります。これにより、糖尿病やそれに伴う様々な合併症を予防することができます。

ポリフェノールに副作用はない?

ポリフェノールは自然界の成分なので、基本的には特に副作用や過剰摂取の心配はないといわれています。ただし、大豆イソフラボンカテキンに関してだけは少し注意が必要です。

豆乳など大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをするため、過剰摂取は月経周期の乱れなどに繋がる恐れがあります。

また、お茶などに含まれるカテキンも、過剰摂取は胃を荒らす原因となります。

どちらも青汁の原料となる野菜には含まれませんが、豆乳で青汁を割ったり、お茶を混ぜて風味を出している青汁を飲んだりする場合は、一日あたりの飲む量を調整するようにしましょう。

まとめ

どうでしょうか?ポリフェノールには様々な種類と効果があることが分かったかと思います。

青汁でポリフェノールを積極的に摂取して、若々しい健康を目指していきましょう。