青汁による病気の予防・改善(認知症)

医療技術の平均寿命が年々伸び、高齢者の割合が高くなっている現代ですが、その中で「本当に健康」である高齢者の方はどれだけいるでしょうか。

長生きなのは良いことですが、その実、寝たきりや何も分からない状態だとしたらそれは真の意味で長寿といえるのでしょうか。

ここでは青汁でできる認知症予防について考えていきます。

認知症とは

認知症とは様々な原因により脳の働きが悪くなったりして様々な症状が出て、生活する上で支障がある状態を指します。ではどういった症状があるのでしょうか。

ひとつは記憶障害です。脳の神経細胞の破壊によって起こる中核症状と呼ばれ、直前に起きたことでも思い出せなくなってしまいます。脳が正常だった頃の記憶はありますが、症状が進行していくとそれらも失われていきます。

また思考力や判断力の低下、時間や場所など現在の自分の状態を把握できない見当識障害も中核症状の一種です。

また、行動・心理症状という、妄想や幻覚、暴力や徘徊といった症状が出ることがあります。

同時にうつや不安感、無気力といった感情障害も引き起こされます。これは中核症状に本人の性格や環境の変化などが加わることで起きる症状で、以前は中核症状に対し周辺症状と呼ばれていました。

他にも異食や介護拒否、睡眠障害等様々な症状があります。

認知症の種類と原因

認知症にはさまざまな種類があります。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多いとされるのがこのアルツハイマー型で、特に女性に多く見られます。どんどん患者数が増加している傾向にあります。

脳にアミロイドβという特殊なたんぱく質が溜まって神経細胞が壊されてしまうために、神経を通って情報を伝えることが出来なくなっていると考えられています。

このアミロイドβが脳内に溜まる原因として、ホモシステインが酸化した悪玉アミノ酸のホモシステイン酸が上げられています

このホモシステイン酸が高齢化に伴う腎臓の機能低下によりろ過されず、脳内まで運ばれてしまうためアミロイドβが誘導されて脳に溜まってしまうのです。

レビー小体型認知症

アルツハイマー型に次いで多いのがこのレビー小体型認知症です。

こちらはアルツハイマー方とは逆に男性に特に多く、女性の2倍といわれています。

レビー小体とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質を指します

レビー小体が大脳皮質や脳幹にたくさん集まってしまい、神経細胞が壊されてしまうため、認知症の症状が起こります。

記憶障害などのほかに、パーキンソン病のような手の震えなどの症状が出るのが特徴です。

なぜレビー小体が脳に溜まってしまうのかの原因は分かっていないのが現状です。

脳血管性認知症

この脳血管性認知症も患者数が多く、女性より男性のほうが多く発症しているとされます。

脳梗塞などの脳卒中によって血管が詰まったり出血したりし、脳細胞に必要な酸素が送り届けられなくなるために脳細胞が死んでしまい発症します

徐々に進行するアルツハイマー型と異なり、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進行していくのが特徴です。

また障害を起こした脳の箇所によって症状が異なります。

他にもアルコールの多量摂取により脳梗塞などの血管障害を引き起こして発症するアルコール性認知症、脳脊髄液が異常に頭に溜まることで障害を引き起こす正常圧水頭症などがあります。

基本的には何らかの原因で脳細胞が死んでしまい、脳が萎縮することが認知症の原因です。

青汁で認知症予防

このような認知症にならないためにも、青汁はとても有効なのです。

アルツハイマー型の原因にホモシステイン酸をあげましたが、ホモシステインの代謝を促すのに葉酸やビタミンB6が有効であるとされています。

青汁には葉酸やビタミンB6が豊富に含まれています。

100gあたりの含有量
葉酸(μg) ビタミンB6(mg)
ケール 120 0.16
大麦若葉 40 0.055
明日葉 100 0.16

また、青汁の材料としてよく使われる明日葉に含まれるクマリンという成分にNGF(神経成長因子)の生産を増加させる作用があるということがわかりました。

NGFとは神経細胞を作ったり、脳神経を修復したりする脳の機能を正常に保つ働きをするたんぱく質です。

神経細胞はいったん減少すると再び自己増殖することができないものですが、このNGFの発見によって認知症が改善されるのではないかと注目が高まっています。

NGFの摂取により認知機能障害を抑制する効果が得られたとの臨床試験結果もあります。

脳卒中につながるドロドロ血液を改善するのにも役立つ栄養素もいっぱいです。

食物繊維やβカロテンなどが血液をサラサラにしてくれますし、カリウムやビタミン類も重要な役割を担っています。

100gあたりの含有量
食物繊維(g) βカロテン(μg) カリウム(mg) ビタミンC(mg) ビタミンB1(mg) ビタミンB1(mg)
ケール 3.7 2900 420 81 0.06 0.15
大麦若葉 4.11 2538 320 7 0.064 0.147
明日葉 5.6 5300 5300 41 0.1 0.24

青汁の原料になる野菜の中でもこれらの栄養素を一番バランスよく豊富に含んでいるのが明日葉です。

明日葉はクマリンも豊富に含んでいるので、認知症予防に最適な青汁の材料といえるのではないでしょうか。

青汁を飲む際の注意点

認知症予防に明日葉の青汁をおすすめしましたが、青汁を飲んではいけない場合もあります。

青汁には血液をサラサラにする効果があるので脳梗塞の予防にはいいのですが、すでに脳梗塞を引き起こしたことがある方は注意が必要です。

脳梗塞になると血液をサラサラにする「ワーファリン」という薬が処方されることがあります。

しかしこのワーファリンはビタミンKと非常に相性が悪く、ビタミンKを摂取するとワーファリンの効果が半減してしまいます。

このビタミンKは青物野菜に特に含まれていて、もちろん青汁にも豊富に含まれています。

ビタミンKを除いた青汁もあるにはありますが、まずは担当の医師や薬剤師の方の指示に従うようにしてください。

健康を意識した生活で病気を予防しよう!

青汁には認知症予防によい成分がたくさん含まれていますが、ただ青汁を飲んでいればよいというわけではありません。

普段から体を動かし、頭を使うことは認知症予防において非常に有効です。

また脳卒中などの病気を予防するためのバランスの良い食事も大切になります。

ぜひ健康を意識した生活で、本当の健康な長寿を手に入れましょう。