青汁で一日分の野菜を摂取できるとか、野菜不足が解消できるだとかよく見かけますが、これって本当なのでしょうか?
青汁1杯でどれくらいの野菜を摂取したことになるのか、青汁で一日分の野菜を本当に摂取できるのか、考えてみましょう。
一日の野菜の目標摂取量
そもそも、野菜は一日にどれくらい摂取するのがいいのでしょうか?
日本の厚生労働省が推奨している、一日の野菜目標摂取量は350gです。これは両手に一杯ぐらいの量といわれています。
さらにそのうち、緑黄色野菜が120g、淡色野菜が230gのバランスで摂取するのが良いとされ、様々な野菜を摂取することが推奨されています。
これは、野菜それぞれで含有している栄養素の種類や量が違うためで、よりまんべんなく摂取するには、できるだけいろんな種類の野菜を摂取することが望ましいのです。
これに対し、現代の成人の野菜摂取量は平均でおよそ280g/日。ただし、特に働き盛りの若い世代である20~39歳の平均は250g/日にも満たない結果となっています。
これでは一日の目標量に100g以上も足りておらず、現代日本人は深刻な野菜不足に陥っているといっても過言ではないのです。
青汁一杯でどれくらいの野菜が摂取できる?
ここで本題の、青汁一杯で一体どれくらいの野菜を摂取したことになるのか、考えていきます。
当然製品ごとに差はあるため、一概にどれくらいと断定はできませんが一杯につきおよそ50~100gほどを摂取できる青汁が多いようです。
一日の不足分がおよそ100gとすれば青汁1杯~2杯で補える計算となります。
青汁だけでは一日分の野菜は摂取できない
確かに青汁で一日分の野菜を補うことはできるかもしれませんが、それだけで済ませてしまっては淡色野菜の栄養を補うことはできません。
しかし、野菜の栄養価といえばよく緑黄色野菜がピックアップされるくらいなのに、なぜそんなに淡色野菜を摂取しなければならないのでしょうか?
そもそも緑黄色野菜と淡色野菜の違いとは?
一般的には野菜の色が濃いものが緑黄色野菜、白っぽい・薄いものが淡色野菜といわれています。
この認識でおおよそ間違いはありませんが、正確な定義は「可食部100gあたりのカロテンの含有量が600μg以上の野菜を緑黄色野菜、それ未満が淡色野菜」となるようです。
トマトやピーマンは正確には600μg未満ですが、摂取量が多いことなどから緑黄色野菜に分類されています。
実際、ビタミンやミネラル類といった栄養素は緑黄色野菜のほうが多く含有しているため、緑黄色野菜だけ食べていればいいと思われがちです。
しかし淡色野菜には水分や食物繊維が豊富に含まれている ほか、近年TNF-αという免疫物質の発生を促す働きがあるとして、注目され直しています。
栄養を摂るだけでなく、免疫力を上げるという観点からも、淡色野菜もきちんと摂取しなければならないのです。
TNF-αとは?
炎症や傷を治す生理機能を調整するサイトカインという物質の一種がTNFです。
その中でも腫瘍(がん細胞)を壊死させる免疫物質(腫瘍壊死因子)としての働きが特徴的で、脚光を浴びています。
淡色野菜には、白血球を活性化させることで、TNF-αの産生を促す働きがあるのです。
青汁はあくまで補助、バランスを意識した食事を心がける
以上のように、目標摂取量の350gを達成するだけでなく、緑黄色野菜と淡色野菜両方をバランスよく摂取するためには、青汁だけではまかなうことはできません。
青汁一杯でも緑黄色野菜の目標摂取量を補うことはできても、淡色野菜を補うことはできないということを念頭において、日々の食事を改善していきましょう。
あくまで、普段からバランスの良い食生活を心がけたうえで、どうしても摂取しきれない分の補助として青汁を飲むようにしてください。
毎日青汁を飲む習慣をつけておけば、忙しくて気がついたら野菜を全く食べられなかったという日があったとしても、青汁の分だけは栄養素を摂取できます。
青汁を上手に使って、野菜を摂取していきましょう。