日本人の5人に1人が該当するといわれている、不眠症。
また、不眠とまでいわずとも、睡眠不足に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
青汁がそんな眠りのお悩みを解決する手助けになってくれることもあるのです。
青汁の働きについて、みてみましょう。
眠りのメカニズム
そもそも、眠気というものはどのようにして訪れるのでしょうか。
まず基本的に、日中の活動による疲労の蓄積から、睡眠欲求が現れます。この際、メラトニンというホルモンが分泌されることによって、身体も眠りに入る状態になります。
そうして眠りに落ちた後、今度はだんだんとメラトニンの分泌量が減少してくると、体内時計によって発せられる覚醒力により、眼を覚ますのです。
この体内時計はおよそ25時間周期のため、何もしないでいると徐々に狂っていってしまいます。それをリセットし、正しい時間に起きるためには、朝、太陽の光を浴びることが大事なのです。
ここで、青汁による不眠解消効果を期待するにあたって重要なポイントが、メラトニンというホルモンなのです。
睡眠ホルモン・メラトニン
ではメラトニンとは、具体的にどういったホルモンなのでしょうか。
単純に言えば、前述の通り、身体を睡眠に適した状態にしてくれるホルモンです。
脳内の松果体から分泌される神経伝達物質で、その働きから睡眠ホルモンとも呼ばれています。
睡眠に関する具体的な働きは、
- 深部体温を下げる(体温が下がるときに眠気がくる)
- 副交感神経を優位にし、気持ちを落ち着かせる
- 呼吸や脈拍、血圧を低くする
といったものがあります。
これらの働きによって、より質の高い眠りに導いてくれるのです。
一般的に、メラトニンは21時頃に分泌が始まるとされています。
しかし、不規則な生活や朝起きる時間が遅いといったことがあるとメラトニンの分泌が増えず、寝つきが悪くなってしまうことがあるのです。
また、年をとって眠れなくなった、という方が多いのも、メラトニンの分泌量が加齢と共に減少してしまうためといえます。
それくらい、睡眠においてメラトニンは重要な役割を担っているのです。
メラトニンに欠かせないトリプトファン
質の高い睡眠のためにはメラトニンが欠かせないということが分かったかと思います。
そんなメラトニンを生成するために必要な栄養素が含まれているのが青汁なのです。
直接のメラトニンの材料となるのはセロトニンという神経伝達物質のひとつ。これは日中、特に太陽の光を浴びることによって分泌が促進されます。
うつ病などに良い物質なので、幸せホルモンなどといった呼び方でご存知の方も多いかもしれません。
しかし、このセロトニンを分泌するためには日光を浴びるだけでは足りません。
そこで必要になるのがトリプトファンという成分なのです。
トリプトファンは必須アミノ酸のひとつで、体内に入って脳に運ばれた後、セロトニンに変化します。ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムも協働してセロトニンを作り出してくれます。
そして、青汁にはこれらの栄養素が豊富に含まれているのです。特にケールの青汁にはトリプトファンも豊富に含まれているため、不眠でお悩みの方にはおすすめです。
不眠の原因を見直す
不眠になってしまう原因も人によって様々です。
- 心理的要因:ストレスや緊張・興奮状態など
- 身体的原因:痛みや痒みなどを伴う外傷や疾患、発作など
- 精神医学的原因:不安・抑うつなど
- 薬理学的原因:薬やアルコール、カフェイン、ニコチンなどの摂取
- 生理学的原因:時差ボケや生活リズムの狂いなど
これらのうち、意識して改善することで取り除くことのできる原因もいくつかあります。
例えばカフェインやアルコール、ニコチンなどは今日からでも控えることができます。
また、医師に処方された薬が原因で不眠になっている場合は、一度担当の医師に相談してみるのも良いでしょう。眠りを妨げない薬に変えてくれるかもしれません。
まずは自分の不眠の原因が何なのか、一度振り返ってみましょう。
青汁で不眠を改善する
でも原因が分かっているからといってすぐに改善できるとは限らないし、改善されるまでの間、不眠を耐えるというのもまたストレスですよね。
そういった方はぜひ、青汁を飲んでみてください。
前述の通り、ケールの青汁にはトリプトファンをはじめとする快眠に必要な栄養素が豊富に含まれています。
また、トリプトファンを吸収するためには腸内環境を整えておく必要もあります。そういった観点からも、青汁は不眠解消にぴったりなのです。
おすすめは温めた豆乳に青汁を混ぜて、夜寝る前に飲むこと。豆乳にもトリプトファンとビタミンB6が豊富に含まれているため、相乗効果も抜群です。
ただし、豆乳は女性ホルモンに良く似た性質の大豆イソフラボンも多く含んでいるため、摂取のしすぎには注意してください。
また、夜寝る前に青汁を飲むと、腸が活発に動くことで逆に眠れなくなってしまうこともあります。その場合は、飲む時間をずらして調整してみてください。