青汁の素材(長命草)

長命草という植物はご存知でしょうか?

近年、その高い栄養価が科学的に実証され、青汁にも原料に使われるようになってきた注目の植物なのです。

ここでは、この長命草についてご紹介したいと思います。

長命草とは?

和名を「ボタンボウフウ」というこの植物は、日本の最西端でもある与那国島をはじめ、九州など温暖な地域の海岸に生息しています。セリ科の植物で、沖縄では「一株食べれば一日長生きする」といわれていたことからこの名がつきました。

現地では天ぷらや和え物にして食べるなど、割とポピュラーな植物のようです。強い紫外線や海風、高い気温など、厳しい環境のもとで育つ長命草は非常に栄養価も高いため、昔から食用だけでなく、風邪や喘息、腎臓病、神経痛の治療に、生薬としても用いられてきました。

厳しい環境で育てることで、より高い栄養を含有するようになるため、栽培農家の方はあえて海水をかけて育てたりするそうです。このようにして育てられた長命草は、ビタミンやミネラル類だけでなく、カロテンやポリフェノールであるルチン、クロロゲン酸などを豊富に含むようになります。

近年では、屋久島産の長命草にのみ含まれるイソサミジンというポリフェノールも発見され、より一層、健康食品としての注目を集めています。

長命草の効果

生活習慣病の予防

長命草にはビタミンCのほかに、ルチン、クロロゲン酸、ビスナジンといったポリフェノールが含まれています。

これらは総じて抗酸化作用を持つため、体内の活性酸素の量を抑えて、細胞の老化やがんの発生を抑えることができます。

また、ルチンは血管を丈夫にし、収縮させる作用があるため、脳卒中などの出血性の疾患や動脈硬化、高血圧の予防にも繋がります。

クロロゲン酸には中性脂肪を溜めない効果があるので、メタボリック・シンドロームや動脈硬化、他にも糖尿病の予防効果が期待できます。

むくみ解消、ダイエット効果

ポリフェノールのビスナジンには血行を促進し、代謝を上げる効果があります。これにより冷え性やむくみが改善できます。

クロロゲン酸には中性脂肪を溜めない働きもあるので、代謝を上げるビスナジンの効果も合わせて太りにくい体質を目指すことも可能です。

美肌、アンチエイジング効果

長命草には抗酸化作用を含むビタミンCやポリフェノールが豊富なため、紫外線などによって発生した活性酸素を除去し、シミやしわを改善する効果があります。

また、ビタミンCにはコラーゲンの生成を促す働きがあるため、潤いを与え、ハリと弾力のある若々しい肌を導いてくれるでしょう。

骨粗しょう症の予防

長命草は他の代表的な青汁や牛乳と比較しても、特に豊富なカルシウムを含有しています。

mg/100g中の含有量
カルシウム
長命草 380
ケール 220
大麦若葉 29
明日葉 65
牛乳 110

特にカルシウムが多いとされるケールよりもさらに豊富なカルシウムを含んでいるので、骨粗しょう症予防や、またストレスでイライラすることが多いという方にも長命草の青汁はおすすめです。

長命草の青汁を飲む際の注意点

自然由来の、昔から食されてきた植物なので、特別注意しなければならない点はありません。

しかし、長命草は特にカリウムも豊富に含んでいるため、腎臓が弱い方は高カリウム血症に注意し、一日の飲む量が推奨量を超えないようにしましょう

また、長命草はセリ科の植物のため、野菜アレルギーを持っている場合には注意して、少量から飲むようにしてください。アレルギー反応が出た場合は飲用を中断してください。

いずれも不安がある場合は、医師に相談し、指導のもとで飲むようにしましょう。

もうひとつ、長命草はセリ科独特の風味が強いため、これをメインにして作られた青汁は味があまり良いとは言えないものがあるようです。

青汁は本来嗜好品ではなく、味は二の次というものではありますが、継続して飲むことで最も効果を発揮してくれます。

もしどうしても飲めない、という場合には、長命草の配合が少ない、飲みやすい青汁を探してみてください。