青汁と野菜ジュースの違い

青汁を飲む目的は何?と問われればおそらく多くの方が「健康のため」「野菜不足による栄養を補うため」であると答えるでしょう。

しかし、ただ単に野菜不足を補うのであればコンビニでも買える野菜ジュースで十分なのではないでしょうか?

いえいえ、そんなことはありません。青汁と野菜ジュースにはきちんと違いがあります。

それぞれを比較して考えてみましょう。

野菜ジュースとは

そもそも野菜ジュースの定義とは一体何なのでしょうか。

実は野菜ジュースには明確な決まりはありません。一般的には野菜汁のみ、もしくは食塩添加を添加したもので果汁(野菜汁)100%を指します。

果汁50%以上かつ野菜汁と果汁のみだと果実・野菜ミックスジュースと表記、果汁(野菜汁)100%のもののみ「ジュース」と表記することができます。

野菜ジュースのメリット

野菜ジュースのメリットは、味の幅が豊富であるという点です。トマトベースやにんじんベース、またオレンジ味やグレープ味など様々なバリエーションがあるので、味に飽きることはないでしょう。

また、青汁と違って飲みたいと思ったとき、コンビニなどでも手軽に購入することができるという点も魅力的です。

野菜ジュースのデメリット

しかし、野菜ジュースには大きなデメリットもあります。

市販されている野菜ジュースは基本的に「濃縮還元」といった方法で作られています。

これは、原料となる野菜や果実から搾汁したジュースを減圧された蒸発釜で過熱して一度水分を除き、濃縮して保管した後、再度水分を加えてもとの濃度に戻す(還元)方法です。

この濃縮還元により原料の輸送費が抑えられ、安く野菜ジュースを買うことができるのですが、栄養面で見た場合、実はこれはあまり好ましい方法ではありません。

というのも、ビタミンB群やビタミンCは熱に弱く、すぐ壊れてしまう性質があります。つまり、例えば「一日分の野菜を使用」とした野菜ジュースで、原料としてその分の野菜が使われていたとしても製造の過程で失われてしまう栄養素があるため、実際の栄養分は一日分の野菜に足りていないということがあるのです。

さらに特筆すべき点として、飲みやすく美味しい野菜ジュースはのど越しをよくするために食物繊維を取り除いてしまっています

食物繊維が足りないとビタミンやミネラルが排出されてしまいますし、整腸作用やコレステロールを体外に排出する作用など大事な役割がある食物繊維を摂取することができないのです。

結局野菜ジュースだけでは一日分の野菜を食べたことにはならないのです。

また、野菜ジュースには糖質も多く含まれています

これは砂糖などといった糖類だけでなく、デンプンといった必要な栄養素も含んだ名称なので極端に神経質になる必要はありませんが、それでも一日に何杯も飲んでいては体によくありません。

糖質同様、食塩も多く含まれていることがあるので注意が必要です。和食の唯一の欠点は塩分が多いことであるといわれるくらい塩分はついつい多めに摂取してしまいがちです。摂取量には気を使う必要があります。栄養が足りていないのならば飲む量を増やせば、というわけにもなかなかいかないのです。

つまり、一般に市販されている野菜ジュースは、足りない栄養素を補う目的で常飲するのには向いていないといえます。

青汁なら大丈夫?

では、青汁なら栄養を補うことはできるのでしょうか?

青汁の作り方はいたってシンプルで、材料となる緑色野菜をすりつぶして汁を絞り取っただけです。製品の形態によってその後加工が施されたりしますが、急速冷凍だったりフリーズドライだったりと、できるだけ過熱をせずに加工を施している製品がほとんどです。できるだけ栄養を失わないように気をつけられて製造されているのです。

また、青汁の原料とされるケールや明日葉、大麦若葉などには通常私たちが口にする野菜ではなかなか摂取できない栄養素もバランスよく含んでいるという特徴があります。健康促進のためには青汁は最適なのです。

さらに、食物繊維が多いのも特徴で、青汁なら不足しがちな食物繊維を補うことができます。

食物繊維(g/100gあたり)
ケール 3.7
大麦若葉 4.11
明日葉 5.6
キャベツ 1.8

食物繊維が多いとされるキャベツと比較しても、青汁の原料になる野菜にはこれだけの食物繊維が含まれているのです。便秘やお腹の調子が悪いという方は特に野菜ジュースではなく青汁をおすすめしたいところ。

さらに、市販の野菜ジュースと違って青汁は緑色野菜のみで作られているものなので、糖質や塩分の心配をする必要もありません

基本的に、青汁は一日に何杯飲んでも栄養面で言えば特に問題はないのです。

メリット デメリット
野菜ジュース
  • コンビニなどで簡単に手に入る
  • そのまま飲めばいいだけである
  • 製造の過程で失われる栄養があり、必要量の野菜の栄養素を補うことは難しい
  • 糖質や塩分が含まれているため、一日に何杯も飲むことは好ましくない
青汁
  • 熱を加えない処理で失われる栄養素を最小限に抑えられている
  • 無駄なものが入っていないため、基本的に飲みすぎということはない
  • 入手するのに通販など少し手間がかかることがある
  • 飲む際、解凍や水に溶かすなどのひと手間をかける必要がある
  • 味が悪い

青汁と野菜ジュースのメリット・デメリットを表にまとめてみました。

以上を比較しても栄養を補うという健康目的で常飲するのであれば、青汁を選んだほうが良いといえます。

青汁・野菜ジュースを飲む際の注意

野菜ジュースよりも青汁のほうが常飲によいと述べましたが、もちろんすべてが悪いというわけではありません。

販売されている野菜ジュースには失われたビタミンB群、ビタミンCがあとから添加されているものもありますし、食物繊維を多めに含むように作られたものもあります。

青汁を切らしてしまったけど、青汁がすぐに届かない!でも野菜を食べる時間も取れない!そんなとき、コンビニでも買える野菜ジュースなら手軽に飲むことができます。毎日のように常飲するのでなければ、糖質や塩分もさほど問題ではない程度です。

野菜ジュースを飲むときはパックに表示された栄養表示を確認して、目的にあった栄養素が含有されているか、また食塩や糖質が少なめであるかなどをきちんと確かめた上で選びましょう

ただし、結局のところ日々の栄養不足を補い健康のために飲み続けるのであれば毎日飲んでも問題のない青汁のほうが断然おすすめです。健康のためには日々の食事と共に青汁を飲み続けるということが一番の近道といえるでしょう。