青汁の栄養素(マンガン)

青汁に含まれる栄養素のうちのひとつ、マンガン。栄養というより電池のイメージが強いかもしれませんね。

ここではそんなマンガンがどんな栄養素なのか、ご説明いたします。

マンガンとは

人間が生きていく上で必ず摂取しなければならない必須ミネラルのうちのひとつです。体重70kgの成人の体内におよそ12mg含まれているとされ、体内ではミトコンドリアに多く分布しているようです。

必須ミネラルには一日に摂取しなければならない量が100mg以上の「主要ミネラル」と、100mg未満の「微量ミネラル」があります。マンガンは基準量が成人男性で4mg、成人女性なら3.5mgとされているため、微量ミネラルに分類されます。

「主要ミネラル」に対し「微量ミネラル」だからといって、全く摂取しなくても良いというわけではないので気をつけましょう。

とはいえ、マンガンは多くの食品に含まれ、特に植物には豊富に含有されているため、よほどの偏食をしなければ欠乏症の心配はありません。

もちろん、植物が原料の青汁にもしっかりと含有されています。

マンガンの働き

マンガンは体内の様々な代謝に欠かすことの出来ないミネラルとして、「代謝のミネラル」と呼ばれています。

一体どんな働きがあるのでしょうか。

マンガンの主な働きは以下の通りです。

酵素の構成成分

マンガンはたんぱく質、脂質、糖質といった三大栄養素の代謝に関わる胆汁や膵液といった消化酵素や、抗酸化作用のあるSOD酵素などの構成成分になっています。

マンガンは胃液で溶けて小腸上部で吸収されると肝臓へと送られ、最終的には大部分が胆汁や膵液として腸管から排出されます。このサイクルがあるため、マンガンの過剰摂取の心配はほとんど必要ないといっていいでしょう。

また、三大栄養素の代謝にはそれぞれビタミンB1、B2、B6といったビタミン類も欠かせません。これらは体内に蓄積できない水溶性ビタミンのため、毎日きちんと摂取する必要があります。

骨の形成を強化

マンガンにはカルシウム、リンなどとともに骨の形成に欠かせない役割があります。

そんなマンガンの役割はムコ多糖類を構成する分子となって骨や軟骨、靭帯といった結合組織を強化することです。

また、骨の石灰化(カルシウムの定着)を促す働きにより、骨粗鬆症の予防効果もあります。

ムコ多糖類とは?

体細胞の周りで水分を蓄える役割をしている物質をムコ多糖といいます。

このムコ多糖は蓄えられた水分を通じて細胞に栄養を運んだり、不要になった老廃物を細胞から排出したりして、体の代謝と循環を安定させる働きを担っています。

そのため、ムコ多糖が減少すると、体の様々な不調に繋がるといわれているのです。

コンドロイチンやヒアルロン酸がムコ多糖類に分類され、これらムコ多糖類がたんぱく質を中心にひとつにまとまったものがムコ多糖です。

ムコ多糖類の減少は25歳くらいには始まるとされています。

マンガンはそんなムコ多糖類の合成に使われているのです。

ホルモンの分泌をサポート

マンガンには脳下垂体など、ホルモンの分泌に関わる臓器の機能を高める働きがあります。

代謝を高める甲状腺ホルモンや生殖に欠かせない性ホルモン、血糖値を正常に保つインスリンなどの生成をサポートしてくれるのがマンガンなのです。

代謝だけでなく、糖尿病の予防にも重要な働きをするといっていいでしょう。

このように、マンガンは微量ながら多くの代謝や消化に関わり、またホルモンの生成のサポートなど、生命活動には欠かせない成分なのです。

マンガンの欠乏症

マンガンは多くの食品に含まれていることから、通常の生活を送っていれば欠乏性になることはないとされ、あまり研究はされていません。
ですが、マンガンが欠乏すると、

  • めまい
  • 耳鳴り
  • 疲労
  • アレルギー
  • 骨粗鬆症
  • 糖尿病

といった症状の危険性が考えられます。

マンガンの過剰症

通常、余分に摂取されたマンガンは便と共に排出されるため、過剰症の心配はありません

ただし、サプリメントなどによって排出能力を超えるほど大量に摂取した場合、マンガン中毒の危険性があります。

マンガン中毒の症状は、強い精神障害やパーキンソン病に似た中枢神経系障害、マンガン肺炎などがあります。

食生活が偏っていて不安だからといって、マンガンをサプリメントで補給することはおすすめしません

マンガンを多く含む青汁

マンガンを多く含む青汁は一体どの野菜を原料にした青汁なのでしょうか?

主な原材料のマンガン含有量は以下の通りです。

100gあたりの含有量(mg)
マンガン
ケール 0.55
大麦若葉 0.4
明日葉 1.05

マンガンを最も多く含む明日葉にはカルコンやクマリンといった、SOD酵素と同じ抗酸化作用を持つポリフェノールも豊富に含まれています。活性酸素が気になる方には明日葉の青汁が適しているかもしれません。

また、たんぱく質や脂質、糖質の代謝が気になるという方にも明日葉の青汁はおすすめです。

というのも、これらの代謝にマンガン同様欠かせないビタミンB群の含有量も明日葉は優れているのです。

100gあたりの含有量(mg)
ビタミンB1(mg) ビタミンB2(mg) ビタミンB6(mg)
ケール 0.06 0.15 0.16
大麦若葉 0.064 0.147 0.055
明日葉 0.1 0.24 0.16

たんぱく質など三大栄養素はきちんと代謝できないと脂肪として蓄積されてしまうため、メタボなどが気になる方にはぜひ明日葉の青汁を試してみて欲しいところ。

糖尿病予防に興味がある方は1-デオキシノジリマイシンという糖の吸収を穏やかにする成分が含まれている桑の葉の青汁もおすすめです。

マンガンの過剰症はサプリメントなどで過剰に摂取しなければ気にする必要はありません。

バランスの良い食事を心がいけて、青汁で健康な体を目指していきましょう。