青汁の栄養素(食物繊維)

青汁は便秘に良いとよく聞きますが、一体なぜ便秘に効くのか、ご存知でしょうか。

青汁には食物繊維が非常に豊富に含まれているために、便秘解消に役立つとされています。ここではその食物繊維について解説したいと思います。

食物繊維とは?

そもそも食物繊維とは一体何なのでしょうか。

体内の消化酵素で消化されず、そのまま便として排出される難消化性成分のことを食物繊維といいます。その性質から昔は「食物のかす」とも呼ばれていました。

しかし、大腸がんを防ぐ効果があると発見されてから研究が盛んになり、現在ではたんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルに次ぐ「第六の栄養素」といわれています。

食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類に分けられていています。

その名の通り、水に溶けるか溶けないかによってそれぞれに分類されます。

不溶性食物繊維

主に野菜や穀類、豆類などに多く含まれるのがこの不溶性食物繊維です。水に溶けず、水分を吸収して膨らみます。

これにより便のかさを増して腸を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動を活発にするので便通を促進します。

腸内の有害物質も一緒に排出してくれるので、デトックス効果もあります。

水溶性食物繊維

主に海藻類や果物、こんにゃく、里芋などに含まれているのが水溶性食物繊維になります。水に溶けるとドロドロのゲル状になるのが特徴です。

腸内の余分な水分を吸収してゲル状になるので、便を柔らかくしてくれます

水溶性食物繊維は腸の粘膜を守る効果があるほか、ビフィズス菌をはじめとした善玉菌のえさとなるので、腸内環境を整えるのに欠かせない成分です。

また、水溶性食物繊維はコレステロールを吸着して排出もしてくれます。

ゲルの粘着性で腸内をゆっくりと移動するため、急激な血糖値の上昇を抑えられるほか、長時間お腹の中にあるためお腹が空きにくく、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。

摂取量の目安

食物繊維の摂取量の目安は18~69歳の男性で20g/日、同女性で18g/日です。

また、不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1の割合で摂取することが好ましいとされています。

食物繊維が便秘に良いからといって、不溶性食物繊維ばかりをとっていると便が硬くなりすぎて逆に便秘が悪化してしまうこともあるので、この不溶性と水溶性のバランスを保って食物繊維をとるようにしましょう。

青汁で食物繊維を補う

現代日本人の食物繊維の摂取量の平均はおよそ14gで、不足している人が多いのが現状です。数十年前の日本人の食物繊維の摂取量はこの倍近くの27gだったという記録もあります。

これほど食物繊維の摂取量が減ったのには、食生活が欧米化したこともありますが、野菜の品種改良により食物繊維の含有量が減っているためであるという指摘もあります。

不足した食物繊維を、ましてや忙しい毎日の中で、食事で補うのは難しいといえるでしょう。

そこで提案したいのが青汁です。青汁の原料となる野菜は食物繊維が豊富に含まれているので、青汁を飲むことでそれを手軽に摂取することができるのです。

青汁の主原料となる野菜の不溶性・水溶性食物繊維とその総量を表にしてみました。

100gあたりの含有量(g)
不溶性食物繊維 水溶性食物繊維 食物繊維 総量
明日葉 4.1 1.5 5.6
ケール 3.2 0.5 3.7
大麦若葉 3.95 0.16 4.11

理想は不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1の割合

食物繊維を優先して青汁を選ぶのであれば、明日葉を使った青汁がおすすめです。

一番含有量が豊富でバランスも自然のままで理想に近い状態になっています。

便秘気味だという方はぜひ明日葉を使った青汁を飲んでみてください。

難消化性デキストリンとは

青汁の原材料欄を見るとよく見かける添加物がこの「難消化性デキストリン」です。

実は水溶性食物繊維の一種で、とうもろこしやじゃがいものデンプンから作られる人工的な食物繊維なのです。人工添加物というと体に悪そうなイメージがありますが、特定保健用食品(トクホ)の認可も受けているくらい安全性が保障され、かつ健康に良い成分なのです。

具体的には食後の血糖値や中性脂肪の急激な上昇を抑制し、腸内環境を改善する働きがあります。

青汁の原材料となる葉野菜ではどうしても不溶性食物繊維のほうが多くなってしまうため、水溶性食物繊維の難消化性デキストリンを添加してバランスを保っているものが多いようです。

本来青汁は葉野菜100%のものを飲むのが一番なので、普段の食事で水溶性食物繊維を多く含む海藻類やこんにゃくなどをよく食べ、これが足りている方はわざわざ添加物入りの青汁を飲む必要はありません。

しかし、バランスの取れた食事がなかなか取れないような方はこの難消化性デキストリンの添加されている青汁を候補に入れるのもいいでしょう。

青汁で不足しがちな食物繊維を摂取しよう!

以前は自然に摂取できていたはずの「食物のかす」なのに、「第六の栄養素」として有用性が証明された現代では不足してしまっている食物繊維。

ビタミン・ミネラル類だけでなくこの食物繊維も青汁で補って、より健康を目指していきましょう。