青汁の素材(ケール)

ケールという野菜をご存知でしょうか。

初めて青汁を飲もうと思っている方はあまり聞き慣れないものかもしれませんが、実は青汁の原材料といえばケール、というくらい青汁の材料の中ではメジャーな野菜です。

栄養価が高いことから、青汁が全国で販売されるようになった頃からずっと使われ続けています。

そんなケールについてご紹介したいと思います。

ケールとは?

キャベツやブロッコリーと同じアブラナ科の植物です。原産はヨーロッパで、日本には江戸時代に伝来したといわれています。

ケール自身は独特の苦味が強く、そのまま食用とするには少しクセがあります。そのことから、オランダナと呼ばれ伝来した当時は、改良品種を観賞用とするにとどまっていたようです。

ちなみに観賞用の流れを汲んだものが現在のハボタンです。また、食べやすいよう品種改良されたものは現在のキャベツになります。

しかし、味を追求したキャベツは「野菜の王様」と呼ばれるほどの栄養価を誇るケールに比べると、含む栄養がだいぶ減ってしまっています。

ケールはその高い栄養価に加え、日本中で栽培することができ、また一年中収穫することができるのが特徴です。

そのため、長く飲み続けることで効果を発揮する青汁の材料として最適だったのです。

ケールの成分

ケールに含まれている主な栄養素として、

  • βカロテン
  • ルテイン
  • ビタミン類
  • 食物繊維
  • ミネラル類

などがあげられます。

特にビタミンCやカルシウム、マグネシウムは明日葉や大麦若葉といったほかの青汁の主な原材料と比較しても特に多く含有しています。

また、メラトニンという眠りに必要な成分も一応含有してはいます。

このことからケールで快眠を謳っているものもありますが、実際の含有量は100gあたり0.0043mgと非常にわずかです。効果を発揮するにはおよそ1~3mg必要で、これには到底及ばない量のため、この効果については注意が必要です。

ケールの青汁の効果

目の健康維持

青汁に含まれる成分にカロテノイドの一種でルテインというものがあります。

紫外線やブルーライトといった光線は目にとって有害で、目の細胞にダメージを与えて眼精疲労や白内障、緑内障、視力低下などの様々な目のトラブルを引き起こします。

ルテインはこれらの有害な光線から目の細胞を守る働きがあるのです。

また、ルテインには抗酸化作用もあるため、防ぎきれなかった紫外線により活性酸素が発生してしまっても、除去する働きがあります。

便秘改善

ケールの青汁には多くの食物繊維が含まれています。

特に不溶性食物繊維の含有量が多く、これは水に溶けず、水分を含むと膨らむ性質をもっています。それによって便のかさを増し、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にすることで排便を促す効果があります。

また、腸内の有害物質を一緒に排出してくれるため、デトックスにも有効です。

美肌・アンチエイジング効果

ビタミンCやビタミンEなどには抗酸化作用が備わっています

紫外線などが肌に当たるとその紫外線から身を守るために活性酸素が発生します。しかし、この活性酸素によって細胞の老化が促進され、しわやたるみの原因となることもあります。

ビタミンCなどの抗酸化作用はこの発生した活性酸素を除去し、細胞の老化を防いでくれる働きがあるのです。

またビタミンCにはコラーゲンを生成する作用があるため、肌のハリを保つのにも非常に有効です。

ケールに含まれる亜鉛は肌細胞の新陳代謝(ターンオーバー)に関わる酵素の構成要素となるため、ニキビをはじめとする肌トラブルの改善予防に役立ちます。

生活習慣病の予防

生活習慣病の多くは運動不足やバランスの悪い食事、また過剰なストレスによって引き起こされます

ケールに多く含まれるカルシウムやマグネシウムには神経系を整える作用があるため、ストレスの多い現代社会では特に補いたい成分です。

また、ビタミンEには血行を促進させる作用があります。運動不足やデスクワークで座りっぱなしなどにより血行不良でむくみや冷え性という方にはぜひ意識して摂取してもらいたい成分です。

また、ビタミンCやビタミンEなどはその抗酸化作用により、染色体異常を引き起こす活性酸素を除去してくれます。がんも一種の染色体異常とされているため、がん予防に繋がるといえます。

おすすめのケールの青汁の飲み方

ケールの青汁は栄養価が高く、健康美容どちらにとっても良いですが、苦味が強く飲みにくいという難点があります。

青汁は長く飲み続けて初めて効果を発揮するので、できれば少しでも飲みやすくしたいですよね。

そこでおすすめなのが、牛乳と混ぜて飲むというもの。単純ですが、苦味がマイルドになって飲みやすくなります。

また、豆乳が苦手でない方はこれに混ぜるのも良いでしょう。豆乳には大豆イソフラボンも含まれているので、特に女性にはおすすめです。

便秘などにお悩みでお腹の調子を整えたいという方にはヨーグルトに混ぜて食べるというのもあります。

寒い冬はホットで飲みたいという方もいるかもしれませんが、その場合は飲む直前に青汁を混ぜるようにしてください。ビタミンCなど熱に弱い成分も多く含むため、せっかくの栄養が損なわれてしまうおそれがあります。

ケールの青汁を飲む際の注意点

ケールは野菜のため、薬とは違って副作用などはありません。

ただし、ワーファリンという血液をサラサラにする薬を服用中の方は注意が必要です。ケールに限らず青汁にはビタミンKが豊富に含まれていますが、ビタミンKがワーファリンの効果を弱めてしまう恐れがあります。

また、腎臓が弱っている方も注意するようにしてください。腎臓は通常、余分なカリウムを排泄する働きを持っていますが、腎臓が弱っているときに過剰にカリウムを摂取すると排泄しきれなくなってしまうことがあります。

そうすると体内に余分なカリウムが残ってしまい、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。高カリウム血症は命に関わることもあるので、不安な方は医師に相談のうえ、量を調節するなどして青汁を飲むようにしましょう。