一年を通して、寒い冬だけでなく夏のきつい冷房などで手足が冷えてつらいという方は多いと思います。
また、冷えのせいで肩こりなどほかの体の不調が出ている、なんてことも。
冷え性に青汁が効く、ということはご存知ですか?
でも青汁を飲んだら冷えるって聞いたことがある……。なぜ青汁が冷え性にいいのか?逆に冷えることはないのか?
考えていきたいと思います。
冷えの原因
そもそも、なぜ冷え性になってしまうのでしょうか。
ひとくちに言ってしまえば血行不良が冷えの原因になります。この冷えの根本である血行不良が、肩こりや肌荒れ、頭痛までも引き起こす要因になっています。
血行不良の原因は様々です。特に冷え性に悩む方には女性が多いですが、その原因に筋肉量が少ない、過剰なストレスによるホルモンバランスの崩れ、生理による貧血などがあげられます。
また、体温調整を司る自律神経の乱れも原因のひとつにあります。
体が温度を感じる仕組み
例えば皮膚が「暑い」「寒い」と感じると、自律神経の中枢である視床下部は体温を一定に保つように全身に指令を出します。
この指令によって血管の収縮や弛緩を行い、血流を調整することで体の熱を放出したり、逆に体温を逃がさないようにしたりするのです。
自律神経が乱れてしまうと適切な体温調整が行われなくなってしまい、結果冷え性になってしまうのです。
自律神経の乱れ
では、なぜ自律神経は乱れてしまうのでしょうか。
自律神経は規則正しい生活を送っていないと乱れがちになってしまいます。
寝不足や過剰なストレス……。乱れた食生活も、自律神経を乱れさせる原因になります。
白米飯や肉食、それに甘いお菓子を好んでよく食べ、逆に野菜が不足しているといった偏食をしている人に冷え性が多いですが、まさしく、自律神経が乱れてしまっている状態になります。
特にビタミンB群やマグネシウムは神経系を整える働きがあり、さらにビタミンEは自律神経をコントロールし血行を促進するほかホルモンバランスを整える重要な栄養素となります。
これらが不足してしまうような食生活を送っていると自律神経が乱れ、冷え性につながってしまいます。
冷えにおすすめの青汁
自分の冷えの原因を取り除き、食生活が改善できればそれに越したことはありませんが、忙しい毎日で、十分な栄養素を不足なく摂取することは現実的に難しいというものです。
青汁にはそんな不足しがちなビタミン類や貧血によい鉄分が豊富に含まれています。
さらに十分な量を手軽に補うことが可能です。
冷え性の方に特におすすめなのが明日葉の青汁です。
明日葉は特にビタミンB群やE、マグネシウムがバランスよく多いだけでなく、カルコンという成分が豊富に含まれています。
このカルコンには血管拡張作用があるのです。
また、もし冷え性が貧血からくるものだという自覚がある場合なら、大麦若葉の青汁も良いでしょう。青汁100gあたりの量で見てみると、ケールが0.8mg、明日葉が1mgなのに対しダントツに多い4.16mgもの鉄分を含有しています。
青汁を飲むと冷えるってほんと?
ここで青汁を飲むと冷える、という通説について考えてみたいと思います。
結論から言うと、確かに、一時的に冷える現象は起きるといえます。
というのも、青汁の原料としてよく使われるケールや明日葉、大麦若葉などは夏野菜で、カリウムを多く含むという特徴をもっています。
このカリウムに利尿作用が含まれているため、尿と一緒に熱が放出され、一時的に冷えを感じてしまうのです。
ですが長期的にみれば、いわば不足した栄養を青汁で補って血行を促進する体質改善ですので、結果青汁は冷え性によい、という結論になるわけです。
冷えに良い青汁の飲み方
とはいえ、一時的にでも冷えてしまうのはつらいものです。
そこで、青汁を飲むときはできるだけ温かくしたものを飲むようにしてください。温めた青汁ならお腹を冷やして下痢してしまう心配も少ないです。
ただし、青汁は湯煎にかけたり直接火にかけたりするのではなく温かくしたお茶や牛乳、お湯などを飲む直前に混ぜて飲むようにしてください。これは栄養素が加熱によって壊れてしまうのを避けるためです。
しょうがなど体の温まる作用のあるものを混ぜて飲むのもおすすめです。
ぜひ飲み方に工夫してみてください。
また、青汁を飲むだけでなく少し体を動かしてみる、ゆっくりと半身浴につかるなどの方法で体を温める、体の冷えるようなものを摂取しないなど、とにかく体の熱を生んで逃がさないなどの対策も冷え性には大切です。
青汁の飲み方に決まりはありません。
朝食にコップ1杯飲むでもよし、夜寝る前に飲むでもよし、自分の都合のよいときに飲むようにすれば大丈夫です。
ただし継続して飲み続けるようにしてください。青汁は継続して飲み続けることで効果を発揮します。
できる範囲から、少しずつ青汁を飲む習慣をつけるようにしてみましょう。
「冷え性」と「冷え症」
最後に、実は「冷え性」と「冷え症」があるのをご存知ですか?
「冷え性」は寝不足やストレスなど生活習慣の乱れによって起こる血行不良による冷えを、「冷え症」は自律神経の乱れによる血管障害によって起こる冷えを指します。
症状はどちらも同じ体の特定部分の冷えのため、現在一般にはどちらも同じように使われています。
自分の冷えは何が原因で起きているのか探って、ぜひ自分にあった青汁を見つけてみてください。